会長挨拶

令和三年度 (山形小学校長) 柳生 さよみ

 つながり 広がる

令和二年度、新型コロナウイルス感染拡大の状況下で、学校も家庭も子どもたちもずいぶん苦しい思いをしました。同時に、この制約の中で私たちは多くのことを学び、児童生徒のためにできることを探し、工夫を重ね、仲間と相談して、できることに立ち向かうエネルギーに変えてきました。今年度もまだまだ厳しい現状ですが、各校、創意と工夫溢れる新しい学校スタイルが軌道に乗ってきていることに力強さを感じます。

東筑摩塩尻教育会では、人と人とのつながりを大事に、昨年度は、総会に集まっていただいた代議員のみなさんと情報交換の場を設けて参りました。会員増に向けての工夫や「自主研修の日」の持ち方についてのお考えを伺い、「あり方委員会」での検討に参考にさせていただきました。おかげさまで、会員のみなさんの声を反映させることができ、会員増やまとまった研修時間の設定により研修を充実させることができました。  

さて、新学習指導要領が今年度は中学校でも完全実施となりました。GIGAスクール構想の実現に向けての取り組みも前倒しで始まり、働き方改革の推進がなかなか思うように進みません。限られた時間の中で先生方は精一杯の取り組みをしたいと願いながら、大変苦労をしています。しかしながら、未来を切り拓く心豊かな児童生徒を育てるために、私たち教師は決してあきらめるわけにはいきません。子どもたちのために共に歩む覚悟が必要です。

塩筑教育会館の前庭に「物ぐさ太郎」の像が建っています。そこには、釈迢空(折口信夫)の言葉

まれまれは ここにつどひて いにしへの あたらし人のごとく はらばへ

が刻まれております。これは諸説あるようですが、「縁あってこの塩筑にきた者は、塩筑教育会に集って日本や教育のあり方を考えてみよう。何もしないように見えて、実は未来を見据えていた物ぐさ太郎のように」という意味があると言われています。

東筑摩塩尻教育会は、公益社団法人として十年目に入りました。今年度も「自ら求め、共に磨きあう塩筑教育会」をテーマとして、活動がスタートしています。コロナ禍で、今まで当たり前と感じていた子どもたちと一緒に過ごすということに喜びを新たにした貴重な経験が私たちにはあります。先輩方が引き継いできた「教育は人なり」という塩筑教育の精神を、この危機の状況の中でもしっかりと受け継ぎ、また次の世代に引き継いでいくことが私たちの責任だと思っています。ベテランの先生方から、仲間へとつながり、若手へとつながり、共に高めあっていきたいものです。授業や子ども理解についてもっと学びたい、自分を高めたいという思いを持って、温かいことばと心で子どもたちの成長を支えていく仲間の輪が一層広がっていくことを強く願っています。